JUN-ICHI OKAJIMA INDIAN ROADMASTER
岡島順一 | 北海道 | 60歳 | ロードマスター
Volume 6.

函館フェリーターミナルから駒ヶ岳山麓一周

今回も、函館フェリーターミナルを起点にしたツーリングコースをご紹介しようと思います。コースは、大沼国定公園の大沼湖・駒ヶ岳山麓を一周する、気持ちのいいコースです。 駒ヶ岳は江戸時代まで富士山のように整った形をした山だったと言われており、度重なる火山活動により山頂が吹き飛ばされ、現在のような特異な山容なったと言われています。一方、函館と言えば、やはり函館山からの夜景。日本三大夜景の一つに数えられる有名な場所です。

まずは、ツーリングコースの話に行く前に、函館山からの景色の豆知識もお伝えしたいと思います。 函館山の景色を見るためには、ロープウェイ、又は車両で山頂へ行かなければなりませんが、残念なことに山頂への道は二輪車通行禁止となっています。なので、バイクでの移動を考えている方は、函館市内を反対側から見られる「きじひきパノラマ展望台」と「城岱牧場展望」に行ってみることをお薦め致します。きじひき高原に行くには、フェリーターミナルから国道228号線~国道227号線で江差町方向へと進みます。フェリーターミナルから約14㎞で、右側にきじひき高原キャンプ場の看板が見えるので、右折。標高560mに位置するパノラマ展望台を目指します。山道を上っていくと、約5㎞でキャンプ場。ここから先はゲートが有るので、通行には注意が必要です。開放期間は4月下旬~10月下旬まで、時間は8:00~20:00です。ゲートを通過すると約3㎞で到着します。このお区間にはメロディーロードが有り、時速40㎞/hで走ると「いいもんだなふるさとは」と、「赤とんぼ」の曲が聞こえてきます。メロディーロードは、タイヤとの摩擦で音を発生させるように舗装路面に溝を切り込み、ノイズがメロディになる仕組みの道路らしいです。

ここの展望台からは、南に津軽海峡、函館山、函館市街地、北に駒ヶ岳、大沼、小沼の絶景が一望出来ます。展望台までの道は大型観光バスも通行しているので、スピードの出し過ぎにはご注意を。

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きじひき高原展望台から城岱牧場展望台へは、国道227号線を函館方向に戻り左折、道道676号線を進み約24㎞です。この展望台は函館の裏夜景が楽しめることから、やはりデートスポットとしても有名なところです。また函館新道の高架を潜ると、直ぐ七飯側から大沼側まで続く約14㎞の道があり、ここは「城岱スカイライン」と呼ばれ、道南屈指のワインディングロードとして知られています。大きな体躯のロードマスターでも、存分に楽しむ事が出来ました。

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城岱牧場展望台から大沼湖畔までは、約10㎞で到着します。ここからは、一周約14㎞の大沼湖を反時計回りに進みます。約7㎞で駒ヶ岳神社に到着、駐車場は無いので路駐し、ツーリングの安全を祈願します。大沼駒ヶ岳神社は、駒ヶ岳の噴火により落下した大きな岩があり、その岩の割れ目を通り抜けると難関突破ができる御利益があると言われています。大沼湖と小沼湖の接する月見橋付近は景観が良いのですが、交通量も多く駐車スペースが無いため、ここは今回通過。大沼湖一周で注意すべき点は、レンタルサイクルで走っている人が非常に多いことと、流山温泉駅付近でホーストレッキングをしていることです。馬に気を取られて、前方不注意にならないよう、お気をつけください。

次は、道道43号線を東に進み太平洋側へ出て、駒ヶ岳を反時計回りに一周します。国道278号線との交差点を右折すると、「道の駅 しかべ間歇泉公園」が出てきます。函館フェリーターミナルを起点にするなら、距離及び時間的に、この辺りで昼食、もしくは休憩を取るとよいのではないでしょうか? ここには、鹿部で水揚げされた鮮魚、たらこ等の水産加工品が販売されています。食事処は、「浜のかあさん食堂(営業時間11:00~14:00)」がおススメ! なかなか旨いですよ。隣には間歇泉公園が併設されていて、入場料300円で見学可能です。吹き上がった温泉を利用した足湯も有り、ツーリングの疲れ緩和する、癒し処としても使えます。

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「道の駅 しかべ間歇泉公園」を出て、駒ヶ岳を左手に見ながら国道278号線を森町方向に進みます。国道5号線との交差点を左折し、しばらく道なりに進むと、西大沼PAが左にあります。ここを左折し道道43号線を進むと大沼湖畔に戻ってきて、駒ヶ岳一周のルートとなります。距離にして約70㎞で、のんびりと流すには、適度な距離ではないでしょうか。

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今回のツーリングは、道南の秀峰「北海道駒ヶ岳」を巡るコースでした。私は、個人的に北側から見る駒ヶ岳が好きです。北海道に来た際は、ぜひ駒ケ岳の美しい山容を眺めてみてください。

Volume 5.

函館フェリーターミナルから日本最北の城、松前城ヘ

 以前もお伝えしましたが、本州から北海道ツーリングをする為の方法の一つとして、フェリーの利用は多く知られるところです。今回は、青森からのアクセスポイントである「函館フェリーターミナル」から、日本最北の城として知られる「松前城」を目指すツーリングコースについて、ご紹介したいと思います。

 函館から松前城へ行くには、国道228号線を通るルートを使います。距離にして約100㎞、その間、函館市、北斗市、木古内町、知内町、福島町、松前町を通過するのですが、それぞれの市町村に見所があるのです。

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 まずは函館市ですが、ご存知の通りここには数多くの観光名所が有るため、今回は函館朝市を紹介します。朝市に行くにはフェリーターミナルから国道228号線を函館駅方向へ約5㎞、駅のすぐ横に朝市が行われる場所があります。かなり多くの観光客で朝から賑わうことで知られていますが、ここで試していただきたいのが「イカ」です。函館と言えばやはりイカ。駅二(えきに)市場という、ビルの中にお見せが詰まっているところでは、活きイカの釣り堀から、イカはもちろん、カニ丼、イクラ丼、鮭とイクラの親子丼、ジンギスカン丼など、様々な丼ものが楽しめるどんぶり横丁もあり、見て、食べて、遊べる楽しさ満載の施設です。写真は、第1駐車場側から見た朝市の様子です。朝5時からの営業しており、どんぶり横丁は目移りするくらい種類が豊富で、しかも安価。北海道最初の食事にお勧めです。

 新鮮な魚介に舌鼓を打ち、お腹を満たしたら、次は北斗市へ。ここは、トラピスト修道院に寄っていただきたい。国道228号線を西進し、途中の北斗富川ICから函館江差自動車道に乗り換え、北斗茂辺地IC で降りるルートも有りますが、個人的には津軽海峡を左に見て海岸線を進むルートが気持ちいいのでお薦めです。距離にして約25㎞。渡島当別駅前を過ぎ、国道から少し山側に入った所に、お目当ての修道院が有ります。トラピスト修道院へ続く道は、杉・ポプラ並木が植えてあり、ここを通るときは、何故か音のない、時が止まった様な感覚になる、不思議な道です。厳かな雰囲気がそう感じさせるのでしょうか。自分が以前に訪れたのは、もう40年も前のこと。トラピスト修道院へと続く杉・ポプラ並木の道は以前とまったく変わらず、タイムトンネルの様に感じました。

その歴史は旧く、創立は明治時代半ばと言われています。当時は荒れて痩せた土地で、農地開拓も兼ねて開発したそうです。また修道士がホルスタイン種を連れてきて道南で酪農を始めるきっかけにもなったそうで、後にバター工場を作るまでになったとか。現在もお土産でトラピストバターやクッキー、ソフトクリームも売られています。

 次の目的地は、北海道で新幹線が最初に停車する町、「木古内町」です。町内にある北海道新幹線ビュースポットへ向かいます。ここへは国道228号線を西に進み約25㎞です。 駅舎の目の前に「道の駅 みそぎの郷きこない」があり、地元ならではのお土産も入手可能。とくに町外不出の酒と言われる「みそぎの舞」は、木古内町でわずか1軒の農家しか栽培していない酒米「ほのか224」を使用した、この土地限定の一品とか。お酒好きの人は、要チェックだと思います。海道新幹線が展望台の下を通過していくのも見ることができ、親切に上り下りの通過時刻表が設置されています。駐車場有るので、よい一服ポイントではないでしょうか。

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 次の目的地は、知内町にある北海道最古の神社、雷公神社です。国道228号線を知内町方向へ進み約9㎞。北海道最古(1244年)の神社と言われており、別雷神という逓信の神が祀られていることから、心が通じると言い伝えられ、恋の成就を願う参拝者も多くいるようです。ツーリングの安全祈願だけはなく、恋愛にお悩みの方にも効き目があるかもしれません? 知内町には、その他に北海道最古の温泉施設、知内温泉ユートピア和楽園が有ります。朝7時から日帰り入浴が出来ますので、時間に余裕のある方はここでひとっ風呂浴びるのも手だと思います。

 その後に控えている福島町へは、海岸線から離れて山間部を走ります。福島町は、あの横綱千代の山・千代の富士記念館があります。北海道には3つの横綱記念館があり、中でも千代の富士は相撲界で一時代を築き上げた横綱ということもあり、この記念館はよく知られています。道の駅「横綱の里ふくしま」の隣にあり、毎年お盆の時期は九重部屋の夏合宿が行われ、朝9時から朝稽古の見学も可能です。相撲ファンは必見です。

 この福島町から再び海岸線に沿って、約22㎞で松前町へ到着します。途中には、白神岬の北海道最南端の碑が有り、青森県の龍飛岬が間近に望むことが出来ます。

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写真は白神岬にある北海道最南端の碑の前で撮りました。あいにくの曇り空でしたが、かすかに青森の龍飛崎を見る事が出来ました。

白神岬から約10㎞で、日本最北の城、松前城に到着です。現在の松前城は昭和24年の火災で本丸御門を残し焼失したため、昭和35年に復元されたものです。天守の内部は資料館になっています。このお城の正式名は福山城。今は親しみを込めて松前城と呼ばれています。1854年、日本で最後に作られた日本式の城と言われており、松前藩屋敷は松前の栄華が再現されていて、表門をくぐるとそこは江戸時代のたたずまいが再現されています。実は、この松前町で実施されているイベントに「バイク武者軍団パレード」があり、この参加も松前城を目指した理由のひとつでした。

松前町は北海道の渡島半島南西部に位置し古くは北方の水産資源・森林資源を北前船と呼ばれる交易船で京都・大阪に送り交易により繁栄を謳歌した町です。幕末には八千戸、三万人の人口があり、仙台以北最大の都市といわれた最北の城下町でした。その様子は「松前の春は江戸にもない」と謳われるくらい賑わっていたそうです。毎年、松前城下時代まつりが8月13~15日に実施されています。バイク武者軍団パレードもここに組み込まれており、他にも山車巡行や花火大会等が開催されます。 祭りのトップを切って13日に実施されたバイク武者軍団パレードは、30名前後のライダーが、大将以下各役職を抽選で決め、それぞれ指定された甲冑をまといます。その恰好で自慢のバイクにて町内を駆けめぐり、町内会毎に大将が交通安全啓発メッセージを宣誓し、副大将が振る舞い餅を贈呈するといった内容です。

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 この時に参加した武者軍団は、道内のほか、京都、兵庫からも来ていて、総勢25名という大所帯でした。出陣式もあり、篝火点火・大将口上・三献の儀・振る舞い餅・勝ちどきの声と、本格的です。巡る町内会は北から南まで20もあり、パレードが始まったのは13時からでしたが、終了はなんと19時。距離にして約80㎞にも走りました。

 このパレードに参加して感じたことは、どこの集落を回ってもそれぞれ各戸の玄関先・歩道等から声援をおくってくれたり、かき氷・ジュースの差し入れをしてくれたり、松前町民はとっても暖かい人達でいっぱいでした。それと、インディアンロードマスターでの参加者は初めてだったようで、バイクは大注目を浴びていました。オーナーとしても、鼻高々なパレードでした。

 今回ご紹介したツーリングルートは、北海道が蝦夷地と言われていた頃から開けていた地域を巡るコースです。ご当地土産も多く、この地域には他に沢山の名所旧跡、寺社仏閣が有ります。ロードマスターで走るにはちょっと短めの距離ですが、距離を稼ぐだけではなく、各地のイベントを堪能するのも旅の楽しみだと思います。ロードマスターは、車体が大きくても意外に取り回しのよいバイクですし、トランクルームに事欠かないため、その土地々々のお土産も気にせず積み込むことが可能です。寄り道が苦にならないバイクですね(笑)。ぜひ、北海道ツーリングの際に、参考にしていただければ幸いです。

Volume 4.

第3回オーナーズクラブツーリング、オロロンライン

 北海道のインディアン好きが集まってのオーナーズクラブツーリング。今回はオロロンラインを使い、増毛町に出かけたお話をお伝え致します。

増毛町は、宝暦年間(1751~1764年)に漁場が開かれた、道北一歴史の深い漁港です。コースは、石狩湾沿いを走る国道231号線、通称オロロンラインを北上するという事になりました。集合場所は、いつも通りインデイアンオーナーズクラブチトセベースで、今回の参加台数は5台。ロードマスター3台に、チーフヴィンテージ2台と、すべてインディアンです。

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 この頃になると、ロードマスターの扱いにも慣れて来ていたので、私が先頭で皆を引っ張ることに。この日は天気も良く、最高のツーリング日和になりました。千歳から海沿いのオロロンラインへ向かうには、市街地とワインディングをつないで60㎞少々走ると辿り着きます。まずは札幌市の東どなりにある夕張郡長沼町を経由し、石狩郡の当別町へ。ここで最初の一服をした後、当別町から石狩市望来まではワインディングのある道道527号線を使います。この道は適度なカーブが続き、路面もまずまずで、巨躯のロードマスターでもすごく楽しめました。車体は大きく、ツアラーとしてフル装備ですから車重もあるのですが、ロードマスターってワインディングでもかなり気持ちよく走れるバイクです。「ツアラーモデルは鈍重」なんてイメージは、もう昔のものなのですね。

 石狩市望来からは、いよいよ国道231号、オロロンライを北上します。日本海に沿って海岸線をひた走る絶景ドライブコースとして有名で、海を左に見ながら走れる北上ルートのため、景色を堪能できました。石狩市厚田区にある「あいロード夕日の丘」で、2回目の休憩です。北へ向かう道外のライダーが5~6名休憩をしていました。ここは日本海に沈む夕日を一望できる場所で、軽食、お土産、トイレが完備されています。オロロン街道を行き交うバイクの、主要休憩地点として利用されているようです。

ここを出て海水浴で賑わう石狩市浜益区を過ぎると、いきなりカーブが増えトンネルが多くなります。しかもトンネル内の路面はいつも濡れていて、走行には注意が必要。結構気を遣います。

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その後、雄冬岬トンネルを抜けて右にある白銀の滝で記念撮影をしました。白銀の滝は札幌方向から来ると雄冬トンネルを抜けてすぐ右にあります。暑寒別岳に積もった雪解け水や地下水が、30mの切り立った断崖から滝となって落ちていきます。滝を見た後は、急坂、急カーブを登った先にある雄冬岬展望台ヘ行き、高さ100mの断崖絶壁が続く雄冬海岸を眺めました。足元がすくむ高さです。雄冬の名前はアイヌ語の「ウフイ(燃える夕日)」に由来しており、標高135mある展望台からは360度のパノラマ絶景が楽しめます。でも、足下には注意!! ですよ。

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かつての雄冬・岩尾地区は、陸の孤島と呼ばれ、船での往来しか交通手段がなかったとか。この雄冬地区から増毛市街地までの間には、まだ人を寄せ付けない秘境が点在するそうです。それだけ険しい土地、ということなのでしょう。でもこのエリアは、夏の時期に走ると、海の青さ、空の青さが本当にまぶしい、素晴らしい景色に巡り合えます。

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ここから25㎞程で、目的地である増毛市街地に到着です。旧増毛駅前には、今も明治・大正・昭和初期の建物が多く残ります。また日本最北の酒蔵である「國稀酒造」もあります。昼食は、増毛市街地の寿司店へ。甘エビがとても旨かった!
増毛町には観光スポットとして、「風待食堂」もあります。これは昭和8年に建築された旧多田商店で、高倉健主演の映画「駅STATION」の舞台にもなった場所です。現在は観光案内所になっていて、映画のパネル展示、貸自転車(無料)などが置かれています。

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昼食後は道道94号を通り、北竜町ひまわりの里ヘ。ひまわりパークゴルフ場にあるひまわり畑なのですが、まだ5分咲き状態でした。時期が少し早かったようですね。北竜町ひまわりの里からは国道275号、国道12号を通って、一気に道の駅三笠ヘ。ここで一度解散としました。今回の走行距離は、320㎞ほどです。

 今回は最初から最後まで先頭を走行しましたが、とくに疲れることも無く、楽しみながら走ることができました。300㎞ほどの距離であれば、なにも苦痛はありません。ロードマスターは、大柄だけど、とても扱いやすいバイクであることを実感したツーリングでもありました。

Volume 3.

小樽港フェリーターミナルから積丹ブルーを求めて

 ツーリングスポットである北海道へのアクセスは、フェリーが多用されることが多いと思います。大概の方は、なるべくたくさんのポイントを回り、楽しもうと、上陸後はあちこちに移動を考えるのでは、と思いますが、実はフェリー上陸地点のすぐそばにも、絶景を楽しめるポイントはいくつもあるのです。今回紹介するのは、西日本からフェリーで上陸する際のアクセスポイントである小樽港フェリーターミナルのそば。奇岩連なる海岸風景と、積丹ブルーを見ながらツーリングを楽しめるコースを、インディアンロードマスターでご紹介します。

 小樽港に到着するフェリーで、舞鶴からの便の場合は20:45到着になるため、この便を利用するなら当日は小樽市内での宿泊がお勧めです。新潟からの小樽到着は早朝の4:30で、ツーリング時期の夏場、例えば8月末なら日の出が4:59なので、そのままツーリングを開始しても問題はないでしょう。ここで目指してほしいのは、積丹半島です。ここは小樽市より西約25㎞に位置する半島で、青い海と切り立った崖、数多くの奇岩を見ることが出来る絶景スポットなのです。

 積丹半島に向かうには、小樽港のフェリーターミナルから、まず国道5号線を西へ20kmほど進みます。すると積丹半島の入口である余市町に到着します。市街中心部から国道229号線を使い、今度は半島先端の神威岬方向へ約8km進むと、ワッカケトンネルがあります。ここを出ると、右にブルーの海と、そして高さ46mもあるローソクの様な姿をした奇岩を見ることが出来るのです。言葉にするとあっけないですが、天気の良い日に美しい海をバックにこの景色に出会えると、かなり感動すること間違いなしです。ここには駐車場も整備されているため、よく記念撮影もされています。

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余市町にあるこのローソク岩ですが、以前はもっと太く丸い岩だったらしいのですが、1940年8月2日の積丹半島沖地震の津波により、半分に割れて現在の形になってしまいました。名前の由来は現在の形状からではなく、ニシンの鱗が岩に張り付きローソクの様に光った説と、カモメの糞が岩を覆い含まれるリンが夜中に光った説の2つがあるとのこと。かなり特徴的な形状ですので、一見の価値はあると思います。

 ローソク岩の駐車場を出て約4km豊浜トンネルを抜けると、右手にセタカムイ道路防災記念公園が有り、そこからセタカムイ岩を見ることが出来ます。トイレも整備されていて休憩ポイントの一つです。

古平町にあるセタカムイ岩にも伝説があります。村の若い漁師ラルマキが一匹の犬を飼っており、猟師は犬をとても可愛がり、犬もとても懐いていたそうです。ある時、ラルマキは仲間と共に漁に出ましたが、暴風雨で一人帰ることが出来なかったそうです。暴風雨は何日も続き、その間犬は浜辺で泣き続け、主人の帰りを待っていたのですが、暴風雨が止むとその犬の姿はなく、岬に遠吠えをする犬の形をした岩が立っていた……という言い伝えがあるそうです。人々はその岩を、「セタカムイ」犬の神様と呼ぶようになったと言います。

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 次は、島武意海岸展望台を目指します。セタカムイ道路防災記念公園から、島武意海岸までは27kmで、積丹町市街地を抜けると一度海岸線から離れますが、島武意海岸駐車場の手前に約50mの人道トンネルが有り、そこを抜けると目の前には積丹ブルーの海が広がります。こんなに綺麗な海は、北海道民でもなかなかお目に掛かれないレベルで、かなり感動すると思います。海岸まではつづら折りの坂道を降りていきます。駐車場にはトイレ、食事処もあるため、食事休憩も可能です。

島武意海岸から神威岬までは、右手に積丹ブルーの海を見ながら進む、とても景色の美しい海岸線のルートです。7月~8月にかけては海水浴、キャンプをしている人達が大勢見かけるところで、神威岬駐車場から神威岬までは遊歩道が整備されていることから、徒歩片道20分ほどで、岬先端まで辿り着けます。ここで見ることのできる、どこまでも広がる積丹ブルーの海と、地球が丸く見える大パノラマは、20分かけて歩いた事を忘れさせてくれる絶景だと思います。

古く江戸時代には、神威岬沖は交通の難所でもあり、神の祟りを恐れる風説から女人禁制の令が敷かれていたと言います。さすがに現在は、女性も岬まで行くことは出来ますのでご安心を。ここも駐車場には、トイレ、食事処、お土産屋さんもあります。

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 神威岬から先のルートも、トンネルをくぐりながら、窓岩を含め奇岩と青い海が広がっている絶景をたのしむことができ、適度な距離を置いて要所で駐車スペースも有ります。例えば、盃温泉の前に浮かぶ島が弁天島、ここは良縁祈願のアイヌ伝説が残る島で、今は橋で繋がっていて渡ることも出来ます。ここでも美しい景色を堪能できます。

このような奇岩連なる海岸と、ブルー、コバルトブルー、エメラルドグリーンが織りなす積丹ブルーと言われる碧い海を楽しむなら、お勧めの季節は7~8月です。皆さんもぜひ、一度はこのツーリングコースを堪能していただければ、と思います。超距離移動が苦にならないインディアンモーターサイクルで走れば、なお楽しめると思いますよ。もちろん、ここには新鮮な魚介類がたくさん有ります。絶品グルメも、ぜひ楽しんでみて下さい。

Volume 2.

第2回 オーナーズクラブツーリング

 ロードマスターによる北の大地からのレポート、その第2回は、知人O君の北関東転勤にともなう送別ツーリングです。(編集担当注:担当の不手際により掲載タイミングが遅れてしまいました。文中季節は初秋になります。申し訳ございません) 転勤後、O君はしばらく北海道に戻ってこれないようなので、気の合う仲間同士で一緒に走り、満喫してもらう企画です。目的地としたのは、ニセコアンヌプリ。ここは昼食でBBQを食べることができるため、なにかと使い勝手のよいところです。

 このツーリングの集合場所となったのは、オーナーズクラブのチトセベースです。実は、小規模ながら北海道にて私を含めた6人で「インディアンオーナーズクラブ」を結成しており、その活動基地となる友人宅のガレージを、我々は「チトセベース」と呼んでいます。オーナーズクラブの一員であるHさんのガレージ内は、まるでバイクショップ。ここが、インディアンについての情報交換の場になっています。今回のように、ツーリング時には出発点としていつも利用させてもらっています。

今回のツーリングの参加台数は4台。車両は、O君のVツインマグナ、そして私のバイクを含めロードマスターが3台です。実は、今回の主賓であるO君はまだインディアンを所有しておらず、オーナーズクラブへは準会員扱いでの参加となります。

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選んだルートは、道道16号線~国道276号線~ニセコ高原比羅夫線~道道66号線~ニセコアンヌプリ~道道66号線~国道229号線~道道229号線~国道5号線~道道66号線~道道97号線~国道276号線~道道16号線。このルートは排気量の小さいO君の車両を考慮して、高低差が少なく走りやすい事、1時間に1回程度の小休止が出来る施設が有る事を考えて選定しました。



 チトセベースを出発して約60㎞、道の駅フォーレスト276大滝で小休止。60㎞と言っても、北海道では大した距離感ではありません。比較的道幅もあり走りやすく、ペースも一定で走れるため、1時間で着いてしまいます。

この道の駅には、世界最大級のログハウスや、キノコ王国本店があります。『キノコ汁』は名物で、ここを通るバイカーのほとんどが立ち寄る場所です。自動演奏のピアノが響くトイレも評判です(笑)。

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 道の駅での一服後は、国道276号線を喜茂別町方向に進みます。しばらくすると、この辺りではその美しさで知られている、羊蹄山(標高1898m)が目の前に現れます。羊蹄山は独立峰で、その姿が富士山にそっくりであるため、蝦夷富士とも呼ばれている山です。晴れていれば、このニセコのシンボルを望む抜群のロケーションでしたが、残念ながら当日はかすかに見えるだけでした。

羊蹄山を左に見ながら、京極町、倶知安町、ニセコ町へと進んでいきます。なかなかいいペースで走っているため、ニセコアンヌプリでの予約時間より早く到着しそうな気配。そこで、寄り道をすることに。羊蹄山が一望出来る高橋牧場ミルク工房に寄り、牛乳の風味たっぷりのソフトクリームをいただきました。このソフトクリームは、高橋牧場で毎朝搾りたての新鮮な牛乳をたっぷりと使用し、やわらかく仕上げられ、口の中でふわっと溶けます。

 休憩をアチコチで取っているにも関わらず、11時にはニセコアンヌプリのBBQハウスに到着。さっきソフトクリームを食べたばかりだというのに、早速昼食です。北海道でBBQと言えば、もちろん肉はラムロース、新鮮で臭みもなく、みな箸が止まりません。旨い肉を食べながらインディアンに乗ったときの楽しさ、カスタム・ドレスアップ・整備・手入れ方法etc…、旨い肉を食べながらのバイク談議は格別です。

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でも、楽しい時間はあっという間に過ぎ去ってしまいます。皆でお約束の集合写真を撮り、帰路に着きます。焼き肉食べ放題コースを楽しむ写真の、前列左が転勤予定のOくんです。お腹が満たされ、小休止後のツーリングコースは、いったん日本海に出て行きとは異なるルートで帰路につくよう工夫。往路の山と高原を堪能するルートから、海眺めながら走るコースへ。北海道は、どちらのルートを選んでも美しい景色が堪能できる、ツーリングパラダイスです。

食べて走って、を繰り返した今回のツーリングは、走行距離350㎞ほどでした。Oくんは、とても満足した様子。彼は北関東で3年間勤務の予定で、北海道へ戻って来たら、インディアンのオーナーになると言ってくれました。転勤先での彼の活躍と、先々正規のクラブ会員に成ることを祈念する次第です。

ロードマスターで走るには少々短い距離ですが、扱いやすいために、こうしたショートツーリングでも苦になりません。北の大地のおおらかな道と、111キュービックインチのVツインのトルクによる、絶妙のコラボレーションを堪能しているところです。

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Volume 1.

50ccのツーリングに始まり、ロードマスターに辿り着く

 私とオートバイの出会いは、44年前の高校1年生の頃にさかのぼります。バイク雑誌ヤングマシンを購入した事がきっかけでしたが、とくにツーリングに関する読者投稿の記事が好きで、何回も繰り返し読んでは自分がツーリングに行ったような気持ちに成っていました。
私が通っていた学校では残念ながら免許取得が禁止されていましたが、我慢できるはずもありません。内緒で取得しました。当然のようにオートバイが欲しくなり、アルバイトで貯めたお金と親から出して貰ったお金とを合わせ、2年生の時にスズキのバンバン50を購入。当然のようにツーリングに行きたくなり、その後もアルバイトを続け資金を貯め、計画を立て、3年生の夏に7日間のロングツーリングに出かけました。
その後、就職、結婚を経て、25年間ほどオートバイから離れた時期もありましたが、時間に余裕ができ始めると、
「ああ、バイクでどこかに出かけたい」
 と、またツーリングの虫が騒ぎ出したのです。まずはヤマハのドラッグスターで復帰を果たし、その後にカワサキのボイジャーへ乗り継ぎ、地元北海道を中心に走り回ってきました。ツーリングが好きで、北海道が好き、そんな人生を歩んできた私の次の相棒が、インディアンのロードマスターです。

<これまでの車歴>
(1)SUZUKI Vanvan50
(2)YAMAHA GT50
(3)YAMAHA Dragstar Classic400
(4)KAWASAKI VN1700 Voyager

「ロードマスターとボイジャーを比較して」

 ツーリングのために作られたようなオートバイ、ロードマスターが手元に来たのは、平成29年6月2日になります。すでに約1500㎞走行しましたが、これまでに感じた事を、いまも所有し続けているカワサキVN1700ボイジャーと比較してみたいと思います。

まず、ボイジャーに無い装備として、電動ウインドシールド、グリップヒーター、シートヒーター、パッセンジャー用アームレストがあります。これらは、実際にツーリングで使ってみると、やはり移動中の快適さが格別で、なんとも豊かな気持ちで走ることができます。まさにツーリングに特化した装備です。また、ケース類ですが、クイックリリースがついているため、トランク、サドルバックともに脱着が容易です。また整備の際も手間が少なく、大変助かります。

一方、気になるポイントもいくつかあります。まず、サイドスタンドの取り付け位置ですが、ロードマスターはボイジャーよりやや前方に位置し、完全に前方に出す前に足が伸び切ってしまいます。このため、純正アクセサリーのチーフ・リデュースリーチスタンドを購入して対応しています。出費のかさむところです。あと、エンジン始動直後のシフトフィールも気になります。シフトが固くてギアが入りづらいのです。オイルが硬いのか?距離を走ればこ慣れてくるのか? いろいろと試したいところです。

「主要諸元表を比較して見えること」

主要諸元表比較
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