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VOLVO SUV
2023.08.13

Vol.28 【ボルボ XC40リチャージ】

Vol.28 【ボルボ XC40リチャージ】

今回は電気自動車のラインナップを拡充しているボルボの「XC40リチャージ」を取り上げる。

北欧流電気自動車

ボルボはいち早く、「電動化」を積極的に宣言したメーカーであり、さらにその先の「電気自動車化」へと向かっているメーカーである。今回取り上げるのは、すでに内燃機関車で人気を博している「XC40」に追加された、ピュアEVモデル「XC40リチャージ」である。

先行して、電気自動車専用車として「C40リチャージ」をこのコーナーで取り上げたが、クーペライクなスタイリングのC40リチャージに比べ、XC40はルーフラインを下げずに、よりユーティリティ性を高めたモデルといえる。

外観は内燃機関のXC40と大きく変わる部分は少ない。

実はこのクルマには起動させる「スタートボタン」がなく、ドライバーが乗り込んで、Dレンジにセレクトすれば、走り出すことができる。

インテリアのデザインは最近のボルボデザインに共通するものだ。

今回試乗するのは「ツインモーター」というモデルで、前輪と後輪にそれぞれモーターを持たせたモデルである。パワーもかなりあり、同機種を「C40リチャージ」でも試乗したが、少しこのセグメントとしてはパワーが過剰である印象だ。シングルモーターモデルも用意されているので、実際にはそちらのモデルで街を乗る分には十分であろう。

カーブなどでは、やはり重量のあるバッテリーを低い位置に置いているということもあり、安定良く走っていく印象がある。また、ホイールは20インチを履いていて、乗る前はもっと硬いのではと思っていたが、思ったほど不快感やゴツゴツ感は感じない。私の記憶が正しければ、ややC40よりもマイルドな乗り味のような気がする。

20インチのホイールを装着している。

ブレーキのフィーリングはごく普通に制動し、不自然な印象がなかったのもよかった。

もともと、XC40は内燃機関モデルではパッケージングの巧みさに感激したものであるが、この電気自動車モデルもその部分は踏襲していて、全長4.5m以下にもかかわらず、室内空間やトランクルームは広々としている。

フロント部にはエンジンが搭載されていないので、トランクが用意されている。

改善してほしいポイントは「回生ブレーキセレクター」を装備してほしいところだ。内燃機関のエンジン車の様に、こまめにエンジンブレーキに変わる回生ブレーキをかけたい場面が特に下り坂にはあるわけだが、このクルマはそれが装備されていないため、どうしてもフットブレーキに頼る形になってしまう。他車では、やや強めの回生ブレーキを掛けられる「B」レンジが用意されているクルマもあるが、このクルマにはそれもないのが残念である。ちなみに、電気自動車らしく、アクセルペダルのみで加減速、停止までできるワンペダル走法も可能である。

ステアリングのフィーリングはクイックな印象である。また、ステアリングの重さを変えることもできる。

一充電の走行可能距離はWLTCモードで484kmである。長距離を乗るユーザーにとってはやはり少し物足りないと思うところがあるかもしれない。しかし、街乗りがほとんどで、もし長距離の場合にはレンタカーを借りる…といった考えならば、十分このクルマでもファーストカーになりうるクルマであろう。

急速充電のソケット。

電気自動車はグリルが開いておらず、のっぺりとしたデザインが多いが、このクルマも内燃機関と唯一違う雰囲気である。

ユーティリティ性は抜群のクルマである。

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ボルボ XC40リチャージ アルティメット ツインモーター主要スペック

<寸法・重量>
全長…4,440mm
全幅…1,875mm
全高…1,650mm
ホイールベース…2,700mm
車両重量…2,150kg

<原動機>
種類…交流同期電動機
定格出力…160kW
最高出力…150kW(204PS)/4,350-13,900rpm(前) 150kW(204PS)/4,350-13,900rpm(後)
最大トルク…330Nm(33.6kgm)/0-4,350rpm(前)、330Nm(33.6kgm)/0-4,350rpm(後)

<駆動用バッテリー>
種類…リチウムイオンバッテリー
総電圧…403V
総電力量…78kWh
交流電力量消費率(WLTCモード)…188Wh/km

<駆動方式・一充電走行距離>
駆動方式…電子制御AWDシステム
一充電走行距離(WLTCモード)…484km

Writer

Gocar Gocar

Go!Carチャンネルのキャスター。2015年ホワイトハウス入社。2016年3月からGo!Carチャンネルをお送りしているが、免許取得後すぐ各種試乗インプレッションを行っており、これまでに試乗した車種は700車種を超える。毎週日曜日16:00からは「Go!Carライブ」をGo!Carチャンネルにてお送りしており、視聴者の皆さんとのふれあいを毎週楽しんで放送している。
また、2022年4月より、レディオキューブFM三重(78.9MHz)にて、「Ericar・Gocar Auto Ensemble♪」というラジオ番組のパーソナリティも務めている。

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