New!Car試乗記

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HONDA 軽自動車
2022.02.18

Vol.4 【ホンダ N-BOX カスタム L・ターボ スタイル+ブラック】

Vol.4 【ホンダ N-BOX カスタム L・ターボ スタイル+ブラック】

前回のVol.3に続いて、「ホンダ N-BOX」をご紹介するが、今回は「カスタム」のターボエンジン搭載車を試乗する。

より上質な乗り味

日本で大変人気を博している「N-BOX」。前回のVol.3では自然吸気エンジン(NA)搭載車を紹介したが、今回はより余裕のあるターボエンジンを搭載した、「カスタム」系に試乗をする。

今回試乗するのは「ホンダ N-BOX カスタム L・ターボ スタイル+ブラック」という特別仕様車である。

最初、乗り込んで感じるのは前回乗ったノーマルモデルは全体的に明るめの内装色で開放感のある印象だったものが、ダーク系のカラーになってシックな印象を感じるところだ。また、ステアリングは革巻きになり、ドアの上部の内張がプラスチックむき出しだったものが、クロスが張られていたりと、やはりより上質感を感じられるのが今回試乗したモデルの特長である。シートにもプライムスムースという上質な表皮が使われている。

広々とした居住空間のため、開放感はノーマルモデルとともに感じられるが、色のコンビネーションが違うため、こちらの方がシックに感じる。

シート素材は上質感のあるプライムスムース×トリコットのコンビネーションシートが採用されている。

 

走り始めた印象はノーマルモデルと同様、滑らかに発進していくのは軽自動車とは思えないところである。次に驚いたのは「乗り味」である。割と荒れた路面を走ってみても、ノーマルモデルの14インチより、1インチ大きい15インチで、乗り味に関してはデメリットになってしまう方向になるわけだが、実際に乗ってみると決してそんなことはない。むしろ、こちらの方が上質感を味わえる。何の車か聞かされないで、乗ってみればこれが軽自動車とは思えない上質感である。

タイヤは165/55R15を履いている。偏平率がノーマルモデルよりも低くなり、サイドウォールの高さが低くなるため、乗り味にはネガティブ方向に作用するはずだが、その心配はない。

 

アイドリングストップからの再始動はNAモデルと同様、極めて滑らかである。そして、発進すれば当たり前のことではあるが、NAモデルよりもかなりの余裕感を感じることができる。乗り比べると特によくわかる。最近の軽自動車は装備もかなり充実しており、このN-BOXもその例に漏れない。実際に車両重量は900kgを超えていて、大人の男性と荷物などが乗ってしまえば1トン前後の重量となってしまう。にもかかわらず、不満のない走りを提供してくれるのはトランスミッションにCVT(無段変速機)が組み合わされているところも大きいと思う。エンジンのトルクのおいしい部分を引き出してくれ、滑らかな走りを提供してくれるわけだ。

660ccのターボエンジンはCVTとの組み合わせでより力強く走ることができる。

個人的に今後改善してほしいポイントとしてはこれほど広々とした空間を持たせたのだから、シートのサイズはもう少しゆとりがあると嬉しい印象である。軽自動車という制約のあるボディサイズの中で幅方向には大きな不満はないが、座面長にもう少しゆとりが欲しい。実測値で47cmであり、50cmに満たない座面長というのは少しミニマムな感じがして、太もものあたりが少し落ち着かない感がある。

もちろん、ノーマルモデルと同様にACCも装備されていた。停車状態でも、ACCの設定をすることができるので、渋滞路に入ってからでも設定できるのは嬉しい。渋滞路のようなところで、ACCが使えるのはドライバーの疲労負担が軽減されるのが嬉しい。車間距離の調整は4段階である。

ACCと車線維持支援システムの操作スイッチ。

現行型のN-BOXが登場した当初から、非常に完成度が高く、いい車だと感じていた。4~5年たってもそれほど古さを感じさせない点が素晴らしいところだ。唯一気になっていた、全車速対応のACCと電気式パーキングブレーキが採用されたことで、鬼に金棒といってもいいほどである。

今回新たに採用された電気式パーキングブレーキ。オートホールド機能ももちろん盛り込まれる。

これほど広い空間なのに、軽自動車の枠内に入っているので、実際に乗ってみても日本の狭い道路環境でも本当に気にならないのはありがたいところである。ホンダが昔から思想として持っている「MM(マンマキシマム・メカミニマム)思想」、センタータンクレイアウトといったホンダらしい考えがこの小さな車にぎっしり詰まっている。

ホンダのMM思想がぎっしり詰まっている。

 

もしも、このN-BOXをファーストカーとして使うことをお考えならば、何かと余裕があるターボエンジンモデルがいいだろう。ただ、移動はほとんどが街中、山坂も多くないという場合ならばNAでも大きな不満にはならないはずだ。ノーマルモデルにも、カスタムにもNAとターボがそれぞれ用意されていて、自分の好みの仕様が選べるのも嬉しいところである。

大人気だったN-BOXが今回の改良で、さらに拍車がかかるに違いない。サイズは軽自動車でも、十分ファーストカーになりうる素質のあるクルマである。

「スタイル+ブラック」という名の通り、エクステリアの様々な部分がブラックカラーのアクセントが入っている。

 

「スタイル+ブラック」という名の通り、エクステリアの様々な部分がブラックカラーのアクセントが入っている。

 

「スタイル+ブラック」という名の通り、エクステリアの様々な部分がブラックカラーのアクセントが入っている。

 

「スタイル+ブラック」という名の通り、エクステリアの様々な部分がブラックカラーのアクセントが入っている。

 

「スタイル+ブラック」という名の通り、エクステリアの様々な部分がブラックカラーのアクセントが入っている。

 

「スタイル+ブラック」という名の通り、エクステリアの様々な部分がブラックカラーのアクセントが入っている。

 

「スタイル+ブラック」という名の通り、エクステリアの様々な部分がブラックカラーのアクセントが入っている。

 

トランクスペースは後席を一番後ろにスライドすると空間は少ないが、十分以上に広い後席空間なので、バランスを見て、前にスライドすればいいだろう。

 

左右で独立してスライドできるのも嬉しいところだ。

 

後席を倒せば広大な空間が現れる。

ショールーム一覧はこちら

ホンダ N-BOX カスタム L・ターボ スタイル+ブラック主要スペック

<寸法・重量>
全長…3,395mm
全幅…1,475mm
全高…1,790mm
ホイールベース…2,520mm
車両重量…930kg

<エンジン・トランスミッション>
排気量…658cc
種類…水冷直列3気筒横置DOHCターボ
最高出力…47kW(64PS)/6,000rpm
最大トルク…104Nm(10.6kgm)/2,600rpm
使用燃料…無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション…無段変速オートマチック(トルクコンバーター付)

<駆動方式・燃費>
駆動方式…前輪駆動(FWD)
燃料消費率(国土交通省審査値)
・WLTCモード…20.2km/L
・市街地モード…17.4km/L
・郊外モード…21.7km/L
・高速道路モード…20.7km/L


<サスペンション>
フロント…マクファーソン式
リヤ…車軸式

<メーカー希望小売価格(2022.2現在)>
178.97万円~(消費税込・カスタム L)

Writer

Gocar Gocar

Go!Carチャンネルのキャスター。2015年ホワイトハウス入社。2016年3月からGo!Carチャンネルをお送りしているが、免許取得後すぐ各種試乗インプレッションを行っており、これまでに試乗した車種は500車種を超える。毎週日曜日16:00からは「Go!Carライブ」をGo!Carチャンネルにてお送りしており、視聴者の皆さんとのふれあいを毎週楽しんで放送している。

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