New!Car試乗記

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HONDA 軽自動車
2022.02.08

Vol.3 【ホンダ N-BOXLコーディネートスタイル】

Vol.3 【ホンダ N-BOXLコーディネートスタイル】

Vol.3、Vol.4と続けて、「ホンダ N-BOX」をご紹介する。今回は左にあるノーマルモデルのNA(自然吸気)エンジン仕様だ。

まさしく“いいクルマ”

メーカーのホームページによれば、10年連続累計販売台数No.1という「N-BOX」シリーズ。初代モデルが登場してから早10年である。2017年9月に2世代目へと生まれ変わったモデルでは、軽自動車らしからぬその走り、乗り味、装備に筆者は目からうろこが落ちたほどだ。

今回試乗するのは「ホンダ N-BOX L コーディネートスタイル」だ。ルーフ、ドアミラー、ホイールなどがブラウンでコーディネートされているのがオシャレ。

今回2021年12月に待望の「電気式パーキングブレーキ」が採用された。それに伴い、これまで時速30km/h以上でしか、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)をきかせることができなかったが、電気式パーキングブレーキが採用されたことで、先行車に追従して、先行車が停止すれば、自車も自動的に停止する機能が盛り込まれるようになった。まさに“鬼に金棒”となったN-BOXであるが、今回4年ぶりに試乗した。今回のVol.3ではノーマルモデルのNA(自然吸気)モデルに、次回のVol.4ではターボエンジンを搭載したカスタムの試乗インプレッションをお送りする。

左が「ホンダ N-BOX L コーディネートスタイル」、右が次回お送りする「ホンダ N-BOXカスタム L・ターボ スタイル+ブラック」である。

以前は足踏み式のパーキングブレーキだったものが電気式のパーキングブレーキの採用に変更され、急な坂道での発進も安心して行えるようになったのがまず嬉しいところだ。また、オートホールド機能付が装備されるようになり、信号待ちでもブレーキペダルから足を放しても停車状態を保持してくれるのは嬉しいポイントである。

今回新たに採用された電気式パーキングブレーキ。オートホールド機能ももちろん盛り込まれる。

まずNAモデルも乗り始めれば、十分なパワーに感じられる。特に速く走るということでなければ、58馬力のNAエンジンとCVT(無段変速機)が組み合わされることで、スムーズに走ることができる。豪華な装備で重たくなっているはずの最近の軽自動車もCVTが非常にいい仕事をしていることがよくわかる。ただ、急坂に入るとやはりエンジン音はそれなりに高まるシチュエーションはある。しかし、街中をゆったりと走る分には大きな問題はないだろう。

NAエンジンでも街中を走る分にはCVTが組み合わされるため、大きな不満は感じなかった。

以前乗った初期モデルと同様、走り始めから気持ちのいい走りをしてくれるということが第一印象だ。「排気量が660ccで、サイズが軽自動車枠内に入った、上質なクルマ」。そんなフィーリングを感じるのは初期モデルと変わらない嬉しいポイントである。乗り味はゴツゴツせずに、道路の凹凸をうまく超えていってくれる。

14インチホイールでしなやかな乗り味を提供してくれる。

そして、広大な空間に改めてびっくりだ。一方で走行中にここまでの広さが必要なのか、と疑問に感じることがなくはないが、日常扱う実用車として、お子様を乗せる、荷物をたくさん載せるなどという場面にはこの空間は重宝するに違いない。また、Aピラーもかなり立っていて、頭上空間が広々しているのも気持ちがいい。ただ、全高が高い分、どうしても重心位置が高くなって、横揺れ(ロール)が大きくなってしまうのは避けられない。

室内空間の広さはとにかく驚き。後席はスライド機構も備わる。

チップアップ機構もあり、様々なシートアレンジが可能だ。

ACCを実際に使ってみよう。先行車との車間距離調整は4段階。最近は軽自動車でACCが採用されているのもかなり増えている。これほどたくさん売れているN-BOXに今回採用されたのはとても嬉しいところだ。先行車が停止すれば、極めて滑らかに先行車に追従して停止してくれる。再発進したい場合には「RES」スイッチもしくは、アクセルを踏めば再追従してくれる。

ACCと車線維持支援システムの操作スイッチ。

さらに、65km/h以上では「車線維持支援システム」も採用され、高速道路などでは車線の中央を維持して、ステアリングをアシストしてくれる機能までも装備されている。ロングツーリングも十分こなしてくれるアシスト装置が装備されているわけだ。

アイドリングストップからの再始動の滑らかさは素晴らしい部分である。

また、アイドリングストップからの再始動の滑らかさにも驚かされる。ホンダの軽自動車の3気筒はどのクルマでもスムーズで、3気筒とは思えない振動のなさである。

室内の印象はカスタムのプレミアム感に比べれば、ノーマルモデルはカジュアル感。しかし、フロントのセンターには大きなアームレストがついていたり、試乗車にはシートヒーターが装備されていたり、装備はかなり充実している。

インテリアは全体的にカジュアルテイスト。メーターは奥の高い位置にあり、視認性が特にいい。

また、死角を見せるための「サイドサポートビューミラー」はとても重宝する。左の側方を見せるためのアナログ的な仕掛けではあるが、とても見やすくていい。リヤにもミラーを使って死角を補っている。

上部のミラーは左前輪のあたりを映し出す。(写真A)

写真Aはこのようなシチュエーションを写し出している。

 

左側方のミラーもある。像は小さい。(写真B)

写真Bはこのようなシチュエーションを写し出している。

 

リヤにもミラーがあり、死角を補助している。(写真C)

写真Cはこのようなシチュエーションを写し出している。

改善してほしいポイントとしてはステアリングを上下調整できる「チルト」機構はあるのだが、前後の調整できる「テレスコピック」がないところ。筆者はもう少しステアリングを手前に位置したいように感じた。ハンドルを近づけようと前にシートをスライドすると、足が窮屈な感じがする。「N-WGN」にはテレスコピックを採用したのだから、ぜひこちらも採用してほしいところである。

ホンダはMM思想というパッケージングが昔から得意だが、まさにその典型である。

しかし、久しぶりに「N-BOX」に乗ったが、本当によくできていて、よく考えられている。たくさん売れているということを考えても、日本は賢い消費者が多いという証拠だろう。
それでは、次回Vol.4ではターボエンジンを搭載した「カスタム」を紹介する。

Nにはもともと「N360」の「Norimono」という意味が込められているはずだ。

着座点も高く乗り降りがしやすい。

シフトレバーはオーソドックスなインパネシフト。扱いやすい位置にある。

シートバックテーブルも用意されていた。

サイドサポートビューミラーは合わせ鏡の原理を使っている。

いろんなところに収納個所が用意されている。

ショールーム一覧はこちら

ホンダ N-BOX L コーディネートスタイル主要スペック

<寸法・重量>
全長…3,395mm
全幅…1,475mm
全高…1,790mm
ホイールベース…2,520mm
車両重量…900kg

<エンジン・トランスミッション>
排気量…658cc
種類…水冷直列3気筒横置DOHC
最高出力…43kW(58PS)/7,300rpm
最大トルク…65Nm(6.6kgm)/4,800rpm
使用燃料…無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション…無段変速オートマチック(トルクコンバーター付)

<駆動方式・燃費>
駆動方式…前輪駆動(FWD)
燃料消費率(国土交通省審査値)
・WLTCモード…21.2km/L
・市街地モード…18.7km/L
・郊外モード…22.5km/L
・高速道路モード…21.6km/L


<サスペンション>
フロント…マクファーソン式
リヤ…車軸式

<メーカー希望小売価格(2022.2現在)>
144.87万円~(消費税込・G)

Writer

Gocar Gocar

Go!Carチャンネルのキャスター。2015年ホワイトハウス入社。2016年3月からGo!Carチャンネルをお送りしているが、免許取得後すぐ各種試乗インプレッションを行っており、これまでに試乗した車種は500車種を超える。毎週日曜日16:00からは「Go!Carライブ」をGo!Carチャンネルにてお送りしており、視聴者の皆さんとのふれあいを毎週楽しんで放送している。

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