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AUDI SUV
2023.04.11

Vol.24【アウディ RS Q8】

Vol.24【アウディ RS Q8】

SUVの実用性に加え、RSモデルのハイパフォーマンスを兼ね備えたモデル。

600馬力のスーパーSUV

日本のみならず、世界中で大人気のカテゴリーといえば「SUV」。1990年代後半に「プレミアムSUV」が登場して以降、各プレミアムブランドが様々なプレミアムSUVを登場させているが、2019年にアウディは全く新しいプレミアム「SUV」として、「Q8」というモデルを登場させた。アウディにはそれまで「Q7」というかなり大柄なSUV(一部は7人乗りも用意する)を持っていたが、それよりもさらにラグジュアリーなSUVとして投入した。Q8には3列シートはないものの、逆に言えば、前席後席共にかなりゆったりとした室内空間を持たせ、フラッグシップセダンにも引けを取らない快適性や走行性能を持たせたモデルとして登場したわけである。筆者自身も、Q8のようなモデルならば、たとえ天候が悪くなろうとも、万が一災害があって障害物を超えなければならなくなったとしても、セダンでは乗り越えられないような場面でもこのSUVならば乗り越えられる可能性がある…ということで、ひょっとすると今後フラッグシップモデルというのはこのようなモデルにシフトしていくのかもしれないと「Q8」が登場当初、考えたものである。

そんな「Q8」に、より高性能なハイパフォーマンスモデル「RS Q8」が用意されることになった。どれくらいハイパフォーマンスかといえば、V型8気筒インタークーラー付きターボは排気量が4.0Lである。そして、最高出力は441kW(600馬力)/6,000rpm、最大トルクはなんと800Nm(81.6kgm)/2,200~4,500rpmもひねり出すスーパーSUVだ。

一方で、このパワートレインは48Vのマイルドハイブリッドも兼ね備え、クルージング走行時には8気筒のうち、4気筒を休止させる「気筒休止機能」も備えている。

最高出力は600馬力、最大トルクは800Nm。この数値に驚きである。実際に走らせてみても目から鱗の迫力だ。0-100km/h加速は3.8秒を誇る。

ただ、今回はこんなハイパワーなパワートレインを、ごく普通に街中で乗るとどんな印象かというレポートである。組み合わされるトランスミッションは8速のオートマチックトランスミッションであり、アウディおなじみのSトロニック(デュアル・クラッチ・トランスミッション)ではない。もちろん、駆動方式は「クワトロ」=4輪駆動である。

そして、もちろんハイパワーな分、大容量のブレーキを収めるために、23インチの大きなホイールが装着されている。

ボディサイズはかなり大きく、特に全幅は2mあるため、まずはこの大きさは慣れていないとかなり大きく感じる。車両重量も2,450kgあり、重量級ではあるが、クワトロのおかげもあるのだろう、コーナーを曲がった際には驚くほど軽快に走る。また、オールホイールステアリング=4輪操舵も装備されているのがかなり大きいだろう。

4輪操舵=オールホイールステアリングが装着される。

パワーは十分以上の性能を持たせているので、街中で乗る分には何ら不満がないのは当たり前だが、それよりもV8エンジンの回転の滑らかさがとても気持ちいい。

乗り味はドイツ的な硬めの乗り味ではあるが、エアサスペンションも装備されていることもあり、コンフォートモードで乗ってみると、路面の凹凸を大変上手に乗り越え、気持ちよく走っていく。23インチのホイールを履いているとは思えないほど、快適な乗り味である。

モード切替で乗り味を変えることができる。

ブレーキは軽い踏力でしっかり制動してくれる。また、エアサスペンションが装備されており、車高の調整も可能である。街中を快適に走るには走行モード切替で「コンフォート」を選ぶのがいいと感じた。また、「オフロード」モードにすれば、エアサスペンションの車高を上げて、悪路走破性を高めることができる。

これからのフラッグシップモデルは従来のようなセダンから、SUV の方向にシフトしていくのかもしれないと感じさせられた。

見た目がかなりスポーティということもあり、もっと快適性よりもスポーツ性能に振ったモデルなのかと予想していたが、街で普通に使う分には快適性もかなり高く、全方位で高い性能を持ち合わせているということがよくわかった。今後、フラッグシップモデルはこのような方向性もトレンドになっていくのかもしれないと感じさせられた1台であった。

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Audi RS Q8主要スペック

<寸法・重量>
全長…5,010mm
全幅…2,000mm
全高…1,700mm
ホイールベース…2,995mm
車両重量…2,450kg

<エンジン・トランスミッション>
排気量…3,996cc
種類…V型8気筒DOHCインタークーラー付ターボチャージャー
最高出力…441kW(600PS)/6,000rpm
最大トルク…800Nm(81.6kgm)/2,200~4,500rpm
使用燃料…無鉛プレミアム
トランスミッション…電子制御8速ティプトロニックトランスミッション

<駆動方式・燃費>
駆動方式…quattro(4WD)
燃料消費率(国土交通省審査値)
・WLTCモード…7.4km/L
・市街地モード…4.8km/L
・郊外モード…7.6km/L
・高速道路モード…9.5km/L

Writer

Gocar Gocar

Go!Carチャンネルのキャスター。2015年ホワイトハウス入社。2016年3月からGo!Carチャンネルをお送りしているが、免許取得後すぐ各種試乗インプレッションを行っており、これまでに試乗した車種は700車種を超える。毎週日曜日16:00からは「Go!Carライブ」をGo!Carチャンネルにてお送りしており、視聴者の皆さんとのふれあいを毎週楽しんで放送している。
また、2022年4月より、レディオキューブFM三重(78.9MHz)にて、「Ericar・Gocar Auto Ensemble♪」というラジオ番組のパーソナリティも務めている。

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